山城ができるまで(普請の工程)
普請零:企画・選定
まずは、制作したい(商品化したい)山城を選定します。
山城仲間や一般的に人気なお城などを踏まえて、数多くある山城の中から選定するのは、結構至難の業です。
基本的には、A4サイズに収まる範囲で表現できるかどうか、復元に必要な十分な情報が得られるか、現地調査が可能かなどを踏まえて選定していきます。
*写真は参考です。選定・予定された城ではございません。
普請一:測量図の制作・精査
制作するお城が決まったら、城郭担当が現地へ赴いて測量図を制作します。その際には航空測量成果等の各種データを精査しながら、曲輪の広さ、切岸や堀の高低差などを特殊な機器と技術を用いて徹底調査・測量を行います。この作業が、地形・縄張りを立体化するベースとなります。
普請二: 縄張りの3D化
制作した図面をもとに、データ化する範囲を特定し、図面の高度や角度などを踏まえて立体化します。
この作業が全行程の中でも最も重要で難しいポイント。データ制作担当と城郭担当が何度も打合せを重ね(リモートでの打合せ含む)、往時の構造物の立体化に取り組みます。
普請三:建物の調査
同時に、城域に存在していたであろう建物群や構築物を時代考証も踏まえて想定をし、実際に構築物が復元されている山城があれば訪問し、寸法などを調査・確認します。
普請四:建物の3D化
決定した複数種類の建物群・構築物群をデータ化します。
出来る限りスケールを合わせることを踏まえ、データ化のレベルや構造を検討しながらデータを制作します。
普請五:試作品作成
これまでの作業から出来上がったデータを実際に3Dプリンターで打ち出して試作品を制作します。
データがしっかり作れていても、実際に打ち出すてみるとイメージや感覚が違ったり、うまく成形することができなかったりすることがあり得ます。
試行錯誤を何度も繰り返し、納得ができるデータにUpdateしていきます。
普請六:最終微調整
試作品が完成したら、つぶさに細かなところを確認し、最後の微調整・修正を行って準備が整います。
実際に最終形の完成品を制作、同時にキット部品としての準備を進め、皆様にご提供できるようになります。
時には、一度完成したものでも新たな(歴史学上の)発見があったり、修正が必要なことがあった場合には、でデータをバージョンアップし、完成品やキットもUpdateいたします。